シンガポールの1世紀を9つの言語を使い5時間かけて演じる「ホテル」を観に行きました。
シンガポールで演劇を観に行くのは、ひさしぶりです。
今回この劇を観たかったのは、ホテルという大好きな空間が劇の舞台となること、またシンガポールの歴史がどう語られるか?を再認識したかったため。

11のシーンで構成されるシンガポールのホテルの部屋を舞台にした劇です。
シーンの変わり目には、流れる映像の前でキャストたちのダンスが挿入されて、スムーズに次に変わります。
(前半)
・1915年 イギリス人とユーラシアンの夫婦・・・・・・イギリス統治下における1915年のインド兵の反乱
・1925年 宿泊客に仕える若いメイドとホテルで働くいとこの清掃人
・1935年 インド人降霊術者とその客人 忍び寄る不穏な影
・1945年 日本軍人とその現地妻(未入籍)
・1955年 マレー人歌手&監督 マレー映画の興隆・・・・・・バレスチアロードにスタジオがあったShawグループがモデル?
・1965年 ホテル従業員たち シンガポール独立
(後半)
・1975年 アメリカ人とトランスジェンダーのシンガポール人、リークワンユー首相を模した登場人物から説教
・1985年 母を訪ねるウォークマンを持つ日本人
・1995年 中華系、インド系カップル・・・・・・異なるレース同士の結婚が主題
・2005年 米国テロ後の影響 警察に尋問されるイスラム系マレー家族
・2015年 ホテルで週末を待つ華人とその家族
シンガポールのその時々の歴史的背景を、あらかじめ調べておけば、より楽しめる演劇です。
日本人としては、ちょっと複雑な心情になるシーンもあります。
戦前の陸軍軍人の軍服が今ひとつなど(細かい箇所は目をつぶって)ありますが、日本人でない俳優の日本語は、(外国人訛りは隠せないものの)充分日本語としてセリフが完成しており、かえって驚きました。
なお、戯曲本(下記写真)は、(劇を観てからは)より内容を理解するために大変役にたつもの。
劇を観終わった今、辞書をひきつつ、のんびりと目を通しています。
場所はFunan内4階にある劇場。
観劇したのは、8月26日(火曜日)19時半から、27日(水曜日)19時半から
火曜日と水曜日は日をまたいで2日間(土日は一日で2幕を観る形)
1日目は、20分の休憩をはさんで2時間45分、2日目は2時間となかなかの長丁場
3階の座った席(平日100ドル)は視界が遮られて、俳優をかなり上から見下ろす形だったので、2階の正面の席がよかったかな?と思えました。
同公演の上演は、9月21日まで(ただし既に売り切れ日あり)
詳細は下記ウェブページにてご確認ください。
107 Northbridge Road #04-08 Funan Singapore 179105