CPF/Central Provident Fund Board積立金(2026年) シンガポールの社会保障  年金・住宅の購入などに利用/積立金額と年金について

シンガポールについて
BishanのCPFオフィス

シンガポールの年金制度を語るに欠かせないのは、年金実施機関であるCPF(Central Provident Fund Board 中央積立基金)であり、当機関がシンガポール居住者(国民・永住権保持者 *永住権を持たない外国人は除く)のCPF口座を管理管轄します。

CPF口座への積立金は、老齢年金・住宅購入資金・医療費用・指定保険購入などで利用可能ですが、ここでは主に老齢年金(以下、年金と記載)について取り上げます。

さとう
さとう

医療保険関係は別途記事作成したいと思います。

シンガポールの年金は、CPF Life(終身年金)とRetirement Sum Scheme(自己積立金年金)という2種類が並立存在しておりますが、すでにCPFLife移行後の人たちの給付が開始しています。

まずはCPF口座への積立金について、見ていきましょう。

シンガポールの年金は自己積立金が原資

シンガポールの社会保障制度を支えるのは、シンガポール居住者(シンガポール人/永住権保持者)が持つCPFへの積立金です。

民間企業に働く社員の場合、各自の収入(給与の20%)と企業からの拠出金(給与の17%)が、企業の責任において社員のCPF個人口座に振り込まれます(積立金納付は、給与・賞与支払い月の翌月14日まで)。

年齢により、その納付率が定められています(下記表参照 基本料率)。

年齢 社員負担 会社負担
55歳まで 20% 17%
55歳から60歳 18% 16%
60歳から65歳 12.5% 12.5%
65歳から70歳 7.5% 9%
70歳から 5% 7.5%
  • 民間企業従業員に適応(月給750ドル以上 月給750ドル未満は別表あり)。
  • 算出給与上限:月8,000ドル、算出年間金額合計上限(賞与も含めて)年102,000ドル。
  • 上記%は、2026年4月現在の割合(納付金の割合は、景気状況なども加味されて、随時変更されるもの/近年は55歳以上の料率が上昇気味=高齢化に準じたもの)。
  • 55歳を超えても、給与がある場合には、定められた金額がCPF口座(一般口座・医療口座)に積み立て続けられる形。
  • 永住権保持者は、3年目から上記利率(永住権を取った1年目・2年目は別表あり)。
  • 公務員の場合は、別表あり。
  • 自営業者は、Medical Account(医療口座)以外は任意積立。
  • CPF口座は自己積立のため、専業主婦は日本の第3号被保険者に該当するものはなし。

CPFB | How much CPF contributions to pay

CPF への積立金と4つの口座

社員の給与からの天引き分と会社からの拠出金を合算した金額は、年齢により定められた割合によって、CPF口座内にある3つの口座に積み立てられます。

口座名 年利 用途
Ordinary Account 一般口座 2.5% 自宅購入・保険・投資・教育などに利用可能
Special Account 特別口座 4% 高利率で55歳時に年金積立金へ移行
Medical Account 医療口座 4% 医療に利用可能 利用条件あり、積立金上限あり
Retirement Account 引退口座 4% 老齢年金の原資
  • 55歳まで/Ordinary Account(OA 一般口座)・Special Account(SA 特別口座)・Medical Account(MA 医療口座)の3口座積立金60,000ドルについて、+1%の追加年利(最初の20,000ドルは一般口座、残り40,000ドルは特別口座)
    *以下OA、SA、MAと記載
  • 55歳にて/、OA・MAにRetirement Account(RA 引退口座)が新設・・・・・・追加年利が加味され、引退口座の年利は、最初の30,000ドルは+2%=6%、次の30,000ドルは+1%=5%(引退口座設立後は、上記記載の他口座への追加年利はなし)
    *以下RAと記載
  • 55歳からのSAは2025年1月から廃止となりました。
    CPFB | Closure of Special Account for members aged 55 and above in Jan 2025
  • RAにどれだけの金額を積み上げられるかによって、年金の受給金額が変動します。
  • 12月末に定められた利子(上記)が各口座に加えられます。
利子計算(例) 年利2.5%のOA
1月 10,000ドル・・・・・・10,000ドルの2.5%/12ヶ月=20.83ドル
2月 10,000ドル+2,000ドル加算・・・・・・12,000ドルの2.5%/12ヶ月=25.00ドル
1ヶ月にて利子
1月から12月の12ヶ月の利子が年末に口座表示

起点になる年齢は、55歳と65歳

55歳・・・・・・誕生月に自動的にRA開設、申請によるOA積み立て金の口座からの引き下ろし可能。

55歳以降はOAに入った金額はいつでも引き下ろし可能。

65歳・・・・・・RAの積立金を原資に、年金支給開始。

*受給年齢は日本同様に60歳から65歳と引き上げられています。

1944年より前生まれ(60歳)、1944年~1949年生まれ(62歳)、1950年・1951年生まれ(63歳)、1952年・1953年生まれ(64歳)、1954年生まれ以降(65歳)

CPF Lifeとは

少子高齢化に備えた、より長年収入を得られる終身年金制度。

1957年生まれまでの人は、旧年金制度Retirement Sum Schemeを利用(80歳までに、CPF Lifeに移行申請可能)。

1958年1月から1961年4月30日の間に生まれた人は、引退口座に55歳時に40,000ドルもしくは65歳時に60,000ドルあればCPF Life加入可能。

1961年5月以降生まれの人は、65歳時に60,000ドルあればCPF Life加入。

大きく異なるのは、Retirement Sum Schemeが引退口座の残高が無くなる時点で年金受給が終了するのに対して、CPF Lifeは終身保険となります。

また、本人死去の場合には、Retirement Sum Schemeの場合には引退口座の残金(利子付)が相続されるのに対し、CPF Life加入時の引退口座の残高に関係なく遺産金が決まります(月々の給付金の合計が加入時の移行金額からマイナス)。

CPF Life 年金の受給プラン

CPF Lifeの年金受給プランは、3つあります(2018年1月から)。

  1. Escalating Plan・・・・・・年を取るごとに受給額が増すプラン。
  2. Standard Plan・・・・・・通常のプラン(リクエストを出さない場合には、自動的にこちら)。
  3. Basic Plan・・・・・・受給額はすくなく、亡くなった場合に遺族にお金を多く残せるプラン。

CPFライフ移行時の3つのRA積立金目安

2026年に55歳になる人の①Basic Retirement Sum、②Full Retirement Sum、③Enhanced Retirement Sumは以下です。

①Basic Retirement Sum $110,200
②Full Retirement Sum $220,400・・・・・・①の2倍
③Enhanced Retirement Sum $440,800・・・・・・①の4倍

③は以前は3倍だったのが、2025年より4倍に設定
これにより、月々の年金支給額も増えることになりました。

CPFライフ移行時にRetirement Account(引退口座)の20%まで引き下ろし(一般口座への移行)可能。ただし、追加納付した金額分/政府補助があった金額分は、計算の合計から除きます。
CPFB | How much CPF savings can I withdraw from age 65?

受給額を増やす方法

・引退口座へ積み立て・・・・・・年ごとに定められるEnhanced Retirement Sumまでの金額を積み立てることで可能。

OAからRAへの積立、CPF口座外からの積立。
55歳未満の人は、OAからSAへの積立。

毎年の積立金額上限はその年のEnhanced Retirement SumのMAXまで、ただし各年の利子は含まれません。

受給開始年齢の選択・・・・・・受給年齢を遅らせることで、受給額を増やすことが可能。

最高70歳まで受給年齢を引き上げることで、受給金額を引き上げ(1年間につき約7%上昇)。

・家族からのCPF口座内金額移行・・・・・・積立金が足りない場合には、夫婦・子から親への積立金移行が可能。

引退口座金額で年金受給額を確認

CPFのオフィシャルサイト(下記)で、年金受給額・死去した場合の遺産金額などが確認可能。

増額分の金額・受給引き上げ年齢を入れてみると、給付額がどう変わるかがわかります。

CPF積立金は本人の資産

55歳を超えても、引き出し申請をしない限り、CPF口座内のOA残金はそのままとなります。
また、企業に働き続ける場合には、上記で記載しましたように積み立てが続きます。

高利が保証されているため、低金利時代には、銀行口座よりも、こちらにそのまま残金を維持しておいた方がお得。

日本人でこのCPF口座を持っているのは、永住権保持者に限られますが、シンガポールを離れる場合に永住権を持ってさえいれば積立金をそのままにしておけます。
しかしながら、ルールの変更により、永住権を喪失した場合には残金は全額引き出さなければなりません。
また、CPFLifeを含む保険もすべて退会となります。

CPFB | Closure of CPF Accounts for Non-Singapore Citizens and Non-Permanent Residents

積立金は個々人の資産のため、もしご本人が死去した場合には、相続者にCPF口座内残金が引き渡されることとなります。

配偶者の場合も、相続者指定をしておくと、何かあった場合の相続作業がスムーズです。

さとう
さとう

シンガポールの年金制度も試行錯誤のようであり、随時修正変更がおこなわれています。
CPF Lifeの導入は大きな変化でした。

年金制度の根本思想が異なる日本とシンガポールです。
単純比較で、日本がいいシンガポールがいいでなく、全体を俯瞰する視点が必要です。

年金だけでなく、資産としての不動産・相続税の問題・公的な医療費助成等を総合して、その国に則した老後の資産形成というものを考えていかねばならないと思えます。

CPF(Central Provident Fund Board 中央積立基金)

さとう
さとう

シンガポールの年金制度は随時変更があるため、必ずCPFのオフィシャルサイトをご参考にされるなり、CPFのオフィスに確認を取るなり、事実確認を行ってください。

2026年現在のCPF Lifeの支給はこちら↓をご一読ください。